業界概要編

ホテルは数あるサービス業の中でも「サービスの最高峰」と言われることが多い仕事だ。このサイトの読者の中にも、アルバイトで接客サービスの面白さに目覚めてさらに高みを目指したい!という方がいるだろう。もちろん、サービスの提供がホテルという仕事の根幹を担うことは間違いない。しかし、それだけではないのもホテルなのだ。

装置産業

不動産(土地や建物)を取得し、それに大きなお金を投資してホテルという施設(装置)を用意し、お客さまを呼び込む仕事である。ホテルの客室やレストラン、宴会場といった商品は在庫ができない生もののようなもの。売れなかったからといって翌日に持ち越すことができない。また、マンションと違って月極ではなく日割りで貸すのがホテル。当然、ゲストが多い日と少ない日があるから、日ごとに料金をコントロールしてなるべく多くの利益を上げる「イールドマネジメント」という手法がポイントだ。また、建設時にはもちろん、商品としての魅力を維持・向上させるには日々必要に応じて改修をしなければならず、その都度莫大な経費がかかる。その分売り上げを上げ、利益として回収し、減価償却(時が経つに従って固定資産に生じる価格の減少を、償却費として計算すること)するには長い時間がかかるビジネスなのだ。

サービス産業

ホテルは以下の3つの要素を持ってサービスを提供している。

  1. ハードウェア・・・ホテルの建物
  2. ソフトウェア・・・宿泊プラン、料理、メニュー、雰囲気など
  3. ヒューマンウェア・・・スタッフ

このどれが欠けてもホテルビジネスは成り立たない。特に重要と言われているのがヒューマンウェア。スタッフといってもただ頭数を揃えるのではなく、ホスピタリティーマインド(おもてなし・気配りの心)とビジネス感覚を備えた人材を配し彼らがサービスを施す。それこそがホテルの付加価値となるのである。