学校の先生として働く場合に、実際にどのくらい収入があり、仕事としてやりがいや大変さというのはどういうものがあるのかという点について、以下、解説します。

学校の先生になるためには

学校の先生になるには、学校の採用試験に合格する必要がありますが、その前のステップがあります。教師として採用してもらうためには、教員免許を取得する必要があります。教員免許を取得するためには、教職課程のある大学または短期大学に入学をして、必要な科目を習得する必要があります。教員の免許も実は複数あり、
・大学の教職課程を経て授与される「一種免許状」
・短期大学の教職課程を経て授与される「二種免許状」
・大学院で修士の学位をとることで授与される「専修免許状」
の3つあり、この3つの免許は取得後10年間有効となります。以上のような普通免許ののか特別免許状と臨時免許状があり、特別免許状は教員免許を持っていなくても専門的な知識・経験を持った人を教員として学校に迎える際に授与され、臨時免許状は助教諭や養護助教諭の免許状として授与されます。
なお、普通免許状も、学校種別毎に分かれており、幼稚園・小学校・中学校・高校に応じた免許を取得する必要がありますし、中学校・高校の場合は、さらに教科ごとに免許が分かれているため、自分が教えることになる教科の免許を取得することになります。

以上のように先生になるというのはとても大変なのですが、学校側でも先生の人員が不足していなければ、募集はしませんので、教員免許を取得しても誰でもが教員になれるということでありません。

学校の先生の給与について

学校の先生にもいろいろな形態があるのですが、ここでは教諭の場合についてお話をします。教諭とは、教員免許を持った学校の正教員のことを指します。この場合は学校から給与の他に社会保障制度など受けることができます。会社でいうと正社員ということになります。給与は平均としては360万円前後ですが、よほどのことがない限り年齢が上がるごとに給与が上がる仕組みになっています。特に公立学校の場合はその傾向があります。
年齢も50歳を過ぎる頃には、教頭や校長先生といったポストに就くことになりますので、その分給与が上がります。また、企業と比べると売上や経済の影響はあまり受けませんので、給与の一貫として賞与も支給されますので、収入は基本的に安定しているということが言えます。

先生の仕事の大変さについて

学校の先生の仕事は、子どもたちの人生に大きく関わってくるということもあるので、やりがいもありますし、楽しいこともとても多いといえます。一方で先生の実務という点から見ると、限られた時間の中で膨大な作業に追われる点が、教諭の仕事の特徴です。例えば30人~40人の生徒が在籍するクラス担任を務める場合の先生の仕事は、その日の授業だけでなく、翌日の授業の準備はしないといけませんし、授業中に配った30人~40人分のプリントを一枚一枚丁寧に採点していく必要があります。実際に先生から添削された人も多くいると思います。それは、プリントは生徒の成績の優劣をつけるものだけではなく、プリントの内容から一人ひとりの生徒の成長度、問題点などを推し量っていくもので、生徒を把握する上で重要なものです。さらに、先生のコメントを一人ひとりのプリントに書いていかなければならないため、それだけでも大変な時間と手間がかかります。
また、30人~40人の生徒を受けもつ教諭にとって、相手にするのは生徒だけではありません。生徒の保護者、兄弟、祖父母をはじめとする生徒の家族の思いや願いを汲み取りながら、その思いに応えていくことも教諭に課せられた大切な使命といえます。
以上ように、教諭の仕事には「これはできない」「これは無理」というようなハードルの高い困難な業務は少ない一方で、幼い生徒の命を守りながら、たくさんのことを地道に毎日続けながら、多忙であるということがこの仕事の大変さということが言えます。